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■ [ 今は、通用しない! ]

「老舗家具屋の倒産が相次いでいます。

本来ならば多くの経営資源を持ち、強みを発揮できるはずなのに、なぜ衰退が進んでいったのでしょう?」


変化の激しい時代の中、老舗家具屋の倒産が相次いでいます。

営業の歴史が長い分、その間に蓄積されたものも多いのが老舗家具屋の特徴ですね。

本来ならば新しい家具屋群よりも、多くの経営資源を持っていて、その強みを発揮できるはずなのに、なぜこのように衰退が進んでいったのでしょうか?


それは、過去の成功体験が今の時代に通用しなくなってきているからだと感じています。

以前、ある新聞の手記で興味深い記事を読んだことがあります。

2003年4月18日付けの読売新聞の「編集手帳」の中で、以前引退を表明した棋士の米長邦雄氏のエピソードが書かれていたのがそれなんですが、約9年前、50歳の米長氏は、23歳の羽生善治氏に名人位を奪われた後、経団連の講演で次のように語ったそうです。

「年配の棋士は得意の戦型が忘れられない。

用いて勝った記憶が 忘れられない。

その戦型はもう、通用しなくなっているのに」(2003年4月18日読売新聞「編集手帳」より)


歴史からも同じことを学ぶことができます。

太平洋戦争において日本軍が採った戦略は、過去に日露戦争や中国大陸での成功体験と同じ戦略でした。

結果、日本の戦略を研究し、対応策を講じたアメリカに敗北をきすこととなります。


これらことは、経営の世界にも当てはまり、ずしりと重いものがあります。

特に若い感性を必要とする業態には強く当てはまることだと思います。

過去の成功体験を持つ創業幹部達がそのまま上に上がり、または変化を好まないものとして敵視する経営者が決定権を持って、いつまでもその会社に君臨し続けたがために、結局経営不振に陥ったという事例は、イヤと言うほど家具業界でも見てきました。

もちろん、過去の全てを否定するものではありません。「基本に返り、本業に返る」と言われることの中には、時代が変わっても永久不変の真理である部分もあります。

何が不変であり、何を変えていくべきかの判断を見誤ってはならないと思います。


不変の真理とは、多くは企業の社会的存在としての基本的なものの考え方の部分で、逆に、具体的に今の消費者などに対応する戦略等については、環境変化をきちんと受け止めた柔軟な対応を要求されることになります。


過去に固執し、時代の流れを無視した対応(もしくは鈍感)は、いくら努力を重ねたところで、結局顧客にそっぽをむかれることになります。


成功体験を捨て、新たな視点から挑戦する勇気を持つことが、今、特に家具業界に求められていると思います。