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■ ヨーロッパの住まいと日本の住まい

「恋することに…、」を読まれた読者の方より、「日本の住まいとあちら(ヨーロッパ)の住まいの違いはどうなんでしょう?」といったメールを多少なりとも頂きました。

「住まい」の違いはそれこそ文化の違いとも言えるもので、あまり話しを大きくしてしまうと、また私のことですから収拾がつかなくなりそうなので(笑)ここでは「家具FUN」らしく「住宅」に絞ってお話ししたいと思います。

あまり私の主観を述べすぎるとお国同士のお話しですから、国際紛争を招く恐れもありますので(ウソウソ、冗談です)、ICハンドブックに出されている統計数字を眺めながら進めます。

でもICハンドブックって、不思議なことに「〜である」口調なんですよね。

「である」口調の文章は、読む側に権威を示したい場合などに使われますが、資格試験の合格ラインや正確な解答をすぐに公表しないなど、業界のその官僚的で根暗な体質がここにも反映されているようで、初めての方が読まれた後などは、「ちょっとイヤな感じがする」との感想が洩れ聞こえてきます。

法律用語もそうですけど、「お上(おかみ)」的発想の人が作るとよくこうなりますね。私なども正直「意味ねぇ〜っ!」て思います。ましてやインテリアなどは万人が楽しく理解して接してほしいものですから、解説する側は、もう少し頭を柔軟に働かせてほしいものです。

ほら、もう横道にそれました(笑)。すいません。


住宅というのは、その土地の気候風土と深い関係があって、その土地の長い歴史の中で生活体験と風土が結びついて生まれてきた、文化の産物というものです。

ですから日本の住まいとヨーロッパやアメリカの住まいとでは、その内容に自然と大きな違いが生まれることは理解に難しくないと思います。

例えばヨーロッパの国々は、古い地層の上に建っていて、一定のリズムで夏と冬がやってきます。だからロングバケーションも容易であり、大陸つづきですから簡単に国々を横断できたりもします。

地震もめったになければ台風の恐れもありません。その上、北の国ですからずいぶんと寒いんです。

そこで、ヨーロッパの人々は、厳しい冬に耐え、室内気温を人工的にコントロールできるように、厚い石やレンガの壁で頑丈なシェルターを作りました。

この頑丈な構築物は何百年でももつ財産ですから、これを人々は「不動産」と呼んだのです。


ところが、日本の風土はヨーロッパのそれとは大きく異なりますね。北から南に細長く連なる国土の大半は高温多湿です。その上、日本人の人生観はヨーロッパのようなキリスト教ではなく、仏教から生まれた東洋哲学が基本にありました。

そこで日本ではこの世を「仮の凄み家」とみなし、自然の中に溶け込んでひそやかに暮らす、という考え方に立って住まいがつくられてきました。と、ICハンドブックではありますが、ここでの私の意見は多少違います。

日本はもともとから無宗教国家で、確かに根底には中国から流れてきた儒教の教えの一部がありますが、日本はそれこそ「良いとこ取り」国家であり、仮の凄み家との謙虚な考えというよりも、アメリカインディオのように自然を大事にし、自然とともに生きてきた単一民族なのだと私は思っています。

善く言えば「柔軟性に富んだ」、また悪く言えば「ご都合主義」の民族なのでしょう(笑)。

話しをもとに戻しますが、日本は特に暑い夏を過ごすことに重点が置かれました。そこで木の柱を立て、草の屋根を葺き、柱と柱の間に薄い障子を入れ、建具を外せば柱だけが残って、家の中を風が通り抜けるという、まさに夏向きの家を造りあげたのです。

また、多湿で雨が多いので軒を深くつくり、家の周囲には縁側と呼ばれるものを回しました。この開放的な木造建築の家は内と外がゆるやかに繋がっていて、インテリアとエクステリアの区別がはっきりとしていませんね。

個人的にはこの日本的風景が抜群に好きなんですけど(笑)

ヨーロッパでは空気さえも遮断するほどの重いドアがあって、インテリアとエクステリアは画然と区別されていますが、日本ではそれとは全く違う開放的な家がつくられてきたのでした。

でもこれは決して日本が貧しかったからではなくて、その方が住み易かったからこうした形式の住まいが生まれたのでしょう。


ところが日本は、明治のはじめに大きなカルチャーショック(そうとう大きなショックだったと思うんですけど)受けたので、ヨーロッパの住宅の方がはるかに優れていると思い込んでしまいました。

それ以降過去100年の間、ヨーロッパの家をお手本にして日本の家のレベルを上げることに国自身大きな努力を払ってきました。その努力の甲斐あってか日本の住宅の質は著しく向上しつつあります。特に住宅産業がおこって以来の進歩には確かに目を見張るものがありますね。

しかし、近年そうしたヨーロッパ風の閉鎖的なつくりの家が、日本の風土に果たして適しているかどうかについて、反省する動きも一部に出てきています。

ジャパニーズデザインは、すでに確かな地位が世界では認められています。しかし日本人自身がそのことに気づかないでいるのは、大変残念なことです。

いまこそ「良いとこ取り」の民族的性格の本領を発揮してほしいものですが、その情報の供給は、私たちの役目ですね。

私が好きな日本の風景として、前号のコラムのなかで下記のようなことを綴りましたが、多くの方から同意と賛同のメールを頂きました。

… 中略。

また、多湿で雨が多いので軒を深くつくり、家の周囲には縁側と呼ばれるものを回しました。この開放的な木造建築の家は内と外がゆるやかに繋がっていて、インテリアとエクステリアの区別がはっきりとしていませんね。

個人的にはこの日本的風景が抜群に好きなんですけど(笑)

… 略。

この私的にも抜群に好きな風景を、上田篤氏の「日本とすまい」の著作のなかに私の気持ちを代弁してくれているかのような(笑)箇所がありますので、補足の意味でも抜粋してみます。


        ……………………………………………

(上田篤氏 著 「日本とすまい」より)


縁は、まことに異なものがあり、味なものがある。

ここにいう縁とは、すまいの縁、すなわち縁側や濡れ縁などのことである。このような縁があることによって、日本の住宅は、その物理的なせまさにもかかわらず、心理的なせまさをあまり感じないですむ。

座敷から、あかり障子と縁側のガラス障子をとおしてみる庭、それは、室内
の落ち着きのなかに、四季の変化を楽しむ、日本のすまいのもっともすぐれた生活空間のひとつの場面だ。

また、縁側の障子をあけはなてば、座敷と庭は、縁をはさんでひとつづきのものとなる。夏の午後など、縁側で涼風を受けながら、うたた寝していると、庭の木のかげで昼寝をしているのと、おなじような気分になろう。

つまり、縁側は、もう庭なのである。

        ……………………………………………


さて今回は、日本の住宅と欧米の住宅を統計によって比べてみます。

日本の住宅建設戸数は景気の動向によって大きく左右されます。1991年度は134万戸程度にとどまってはいますが、1989年についていえば167万戸余りが建設されていて、同年のアメリカの142万戸を大きく上回っていて、戸数で見る限りでは、世界最大の住宅市場を持つに至ったと言えます。

もっともそれに付随する問題点も、世界一となった感がありますけど。

住宅建設の活動の状況を国際比較する指標の1つとして、人口1.000人当たりの住宅建設戸数がありますが、、これによってみても日本は13.5戸と、アメリカの5.7戸、フランスの7.4戸を大幅に上回っていて、いかに活発であるのかがうかがえます。

しかし、です。ここで注目すべき点は、アメリカの人口は日本の約2倍ほどですが、それにも関わらず新築住宅戸数が少ないという点です。

その意味するところは、アメリカの住宅の寿命が日本よりはるかに長いということです。

その建て替えサイクルを需給バランスで概算すると、日本では30年で1回強となりますが、米国では50年ほどで、ヨーロッパでは60年以上、あるいは100年に達する国もあります。(日本30年説も、実際の立て替え統計によると、26年前後という方もいます。)

日本では、住宅ローンの平均が約30年ほどですから、へたをするとローンだけが手元に残るという皮肉な結果になることも、笑い話ではなく現実にあります。悲惨な例ですね。


そもそも住宅に対する考え方が欧米、とりわけ米国と日本では全く違います。

良くも悪くも純然たる資本主義が隅々まで根付いている米国では、住宅は「投資」物権であって、一生モノというわけではありません。最近日本の閣僚もその発言の中で含め始めてはいますが、こういった考え方はなかなか日本人には受け入れられ難いことですね。

しかし、昨今のハウスメーカーのセールストークにも「投資目的にどうですか?」という言葉も多く耳にします。


多少うがった考え方かもしれませんが、人が本当に真剣になる事柄はやっぱり「お金」かもしれません。「お金」=「投資」の考え方が浸透している米国では、投資物件である住宅は自分の目で見て、その価値を高める努力を行います。

ですから問題が起こる前に対処しますが、日本の住宅の考え方は一生自分のモノであって、自分が日々使うモノの足元にはなかなか目がいかないものです。その結果どうしても脇が甘くなりますね。そうして問題が起こってから大騒ぎして、結局は泣き寝入りというケースがホントに多く見られます。


以前その事に関して建築家の方の意見を聴く機会がありましたが、その方も言われていた事で、そして私もHPなりメルマガで「賢い家具の買い方」でも常に言っていることですが、「決して良いお客」を装わないことです。

すなわち、分からない事は何でも問いただすこと。納得できない事は納得できるまで質問すること。そして知識をつけること。です。


日本人はとりわけ外に出ると「いい顔」をしがちです。でも、そのいい人ぶりにつけ込んであやふやにしてしまう件がホントにホントに多いです。泣くのは自分ですから、泣く前に対処しましょうね。

まっ、このメルマガを購読されている方は大丈夫だろうとは思いますけど(笑)

なぜだと思います?

それは、家具やインテリアにドキドキ・ワクワクしたいからこのHPやメルマガを購読してるんでしょう?

そんな人は、一戸建てやリフォームをする時にもドキドキ・ワクワクしながら話しを進める方です。その人のドキドキ・ワクワク感は他人にも感染しますからね。
そんな人には不幸も近寄ってはきません。

不思議とそんなモノなんですよ。 あなたもそんな経験ないですか?




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