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■ [ 改めまして、2005年、「新年明けましておめでとうございます。」 ]

………………………………………………………………………………………



「神は細部に宿る」。

20世紀を代表する一人である建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」の有名な言葉です。


モノを創る人だけに限らず、クリエイターと呼ばれる人たち、秀でた経営者、トップビジネスマン、トップビジネスウーマンなどなど、クリエイティビティが高い人ほど、「細部」に気を配るものです。

それは、「細部」が「全体」の完成度に及ぼす影響を知りすぎるくらい心得ているからで、決しておろそかにはしません。


優れた家具やインテリアが、それを利用する者を感動させるのは、細部へのこだわりに創り手の信頼をそこに見るからです。


そしてコーディネート。

箱モノ家具や大きい家具を選ぶ際に考慮したい壁紙や床の色はもちろん、窓枠や扉などの建具、幕板やスイッチボックス、建具まわりの色の選定など、俗に言う「センスの良い」人の部屋創りを拝見し細部にまで目を凝らすと、やっぱり「それなりな」人とは違う微妙さが浮き上がってきます。



ライフスタイルとは、私は「創る」ことの積み重ねだと思っています。

私の考える「創る」とは、まず「考える」、そして「決める」、後は「行動する」の3点のことです。

日曜大工のように木材を買ってきて、それこそ「モノ」を作ることと同じように、個々のライフスタイルとは「創られていく」ものだと思っています。


以前買ってきた雑誌の置き場所、今晩の食事、炊事家事、洗濯している時間から外で自分の仕事をしている時間まで、最初から最後まで自分で創ります。

自分のライフスタイルは「自分」で築いていくことの積み重ねです。


住む家にはじまって、食事やシュッピングなどのお金の使い方、仕事、家事、大きなことからとっても些細なことまで、いろいろなことを自分で考えて、決めて、行動します。

そんな毎日のたくさんの「創る」が積み重なって、自分の「生活」になり、それがライフスタイルに進化していきます。


っと、

今年一発目からなんだか「くどい」内容になっていますけど(笑)、この「くどさ」には訳があります。

去年の暮れから今年の今日まで、一人前の大人にしては長い冬休みを周囲の迷惑をかえりみず取っていたのは、香川県の各美術館を皮切りに、ニューヨークをはじめ手当たり次第に美術館ならびに建築物を見て回ろうとしていたからです。

でも、

スマトラ島沖地震に伴う津波災害の甚大さが知らされてくるにつれ、

「おい、こんな事してる場合じやねぇーだろ。」みたいな気分に襲われ途中からすべてをキャンセルしました。(ちなみに空のチケットやホテルなどのキャンセル料も含めて○万円。トホホです。)

私みたいな超・俗物が、ちゃんちゃらおかしい話しではあるんですけど(笑)。


それからが「さぁ大変。」

この「トホホ感」、いやいや、この「危機感」が私だけのモノなのかを確認するために、年末・年始からアポを取り、「トホホ」の元を取るために人に会うわ会うわのオンパレードでした。


話しの詳細を語るにはあまりにもスペースが足りませんのでここでは控えますが、変わり種では某睡眠学者の教授さん。

現代の子供の睡眠時間の減少や変化に危機感を訴えられている方で、大人のライフスタイルの変化が幼少時の子供の発育に悪影響を及ぼしていて、果ては日本の未来に警鐘を鳴らされていました。

まんざら根拠の無い話しではなくて、私も以前そのような内容の専門学者の著作を拝読したこともあり、睡眠時間の変化が子供の脳に与える影響は、決して無視はできないほどであることを理解していましたから、単純に早寝・早起きがいかに大切であるのかという話しも、素直に聞け、その他もろもろの危機感もその教授さんとは共有できました。


そして毎年この時期恒例のお坊さんとの禅問答に似た「大喧嘩」にしても、いつもは強気の老住職が珍しく考え込む場面が多かったように思います。


その他警察署長、学校長、経営者、政治家、アナウンサー、記者、考えられる限り、時間の許す限り、コネのきく限り人に会い続けました。

それぞれに私より年長者であり有識者であり、確たる人生論者の方々です。

専門用語も飛び交い語られる言葉自体も違いましたが、しかし話しの内容はほとんど変わりはありません。

そこで語られたのは、なにかとても大切なモノを無くしてしまった日本への危機感です。そして世界への危機感でした。



挨拶がまともにできない若者は笑い事ではない。敬語が使えない若者も笑い事ではない。時間を忘れゲームに興じる子供も笑い事ではない。夜型の子供も笑い事ではない。学力低下も笑い事ではない。渋谷にたむろする若者も笑い事ではない。

経営者の倫理観の欠如も笑い事ではない。儲け主義に走る企業も笑い事ではない。子供を叱れない大人も笑い事ではない。しつけと暴力や体罰との違いも分からない大人も笑い事ではない。子供をほったらかしでパチンコに興じる大人も笑い事ではない。一向に無くならない飲酒運転も笑い事ではない。

マスコミがはやし立てるようには、決して洒落になっていない。



話しが家具やインテリアからちょっとずつ遠ざかっていっているので戻しますが、例えば「私は片づけられない主婦」だなんて、よく取りざたされていますが、あれなどは収納術云々の問題ではなくて、その人自身の生きる姿勢が問題なのです。

いくら収納術を駆使してその場を片づけたからといっても、その人の生きる姿勢を正さない限りは決して一件落着ではありません。

絶対に元の「片づけられない」現状に戻ります。


「神は細部に宿る」の逆説的で端的な例ですね。

たった「片づける」だけのことさえ出来ない者に、神は宿りはしません。

そして、たった「片づける」ことだけ取ってもその人の全てが時には分かってしまいます。


ちょっと大げさ?


いえいえ、それが証拠にこの年末年始、私がお会いした方々のご自宅やオフィスがすべてそうでした。

綺麗だとか高級な家具をそろえているとか、デザインが良いとかそんなことではありません。

すべてその人のライフスタイルの「理」に適っているとでも言いましょうか、まさにその人のライフスタイルがそこに具現されています。

どれが良いとか、このコーディネートは素晴らしいとか、セオリー通りだとか、そんなどこかの雑誌や教科書のようなことは二の次のことなのです。


自分はこのように「考え」、このように「決め」て、このように「行動」した。

その空間には無理や気取りもなく、ただ心地よいその人だけの空間が広がっています。



「その人の人生感にそっと触れることができるような空間創りをお手伝いできたらなぁ。」


決してきれい事だけでは済まされない世界に生きている私が言うのもなんですけど、そんな些細な、でもきっと大切なことを気付かされた今年の始めでした。



さてさて、

「今年も良い年になりますように。」のような他人任せの祈り言葉ではなくて、

私は、「今年も良い年にしましょう。」的な気持ちを贈ります。



「日々ちっちゃな事を積み重ねることでしか、てっぺんには登れない。」

大リーガー、イチロー選手の言葉です。



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