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 [ 今のソファって? ]
………………………………………………………………………………………



前回は「伝統的なソファの内部構造」を見ていきましたが、今回は「近代〜今」のソファの内部構造です。


さてさて、

1960年代から70年代にかけて、家具業界に大革命が起こりました。

それは、安価で手軽に製造できる新素材が、次々と開発されたのです。

いわゆる家具の大量生産時代の到来です。

例えば現代では、中国がその安価な労働力を背景に全世界に工業製品を、今まででは信じられないくらいの安さで膨大に商品を供給している現状と、そのインパクトにおいては同じくらいのモノだったのでないでしょうか。


話しを元に戻しますが、それは特に、内部構造の複雑なソファに大きな影響を与えました。


伝統的なコイルスプリングは「エラストテープ」に、高級な羽毛は「ダクロン」に、釘は大きな「ホッチキスの針」にと、すべてを変えてしまったのです。


そして、最大の事件は「ウレタン」の出現です。

今では当たり前のようにウレタンという言葉を口にしますが、当時の驚きは大変なものだったはずです。


石油を主原料とするこの新素材「ウレタン」。

フェルトやパーム、馬毛に羽毛などの内部素材の役割を、ほとんど一手に引き受けてしまいます。

そしてなによりも驚きは、まるで「たい焼き」のように量産できる「モールドウレタン」です。


モールドとは鋳型という意味で、ウレタンの原料を鋳型の機械に入れてボタンを押せば、素人でも誰でも簡単にソファをつくることができてしまいます。


こうした新素材の製造方法は、安価で手軽なソファを生むと同時に、多くの粗悪品も生み出しました。

こういった 「 安価な商品 → 粗悪品の大量流出 」という過程も、2,3年前ほどの中国ショックの時とよく似通っていますね。


でももちろん伝統のソファに負けない、良質な新世代のソファもたくさんあります。

また、手間や時間、お金がかかる昔の製法よりも、大量生産品のほうが気軽に手に入れられることもこれまた事実ですから。


しかし、その一部の粗悪品が残した印象は、あまりに大きなものでした。

この点もよくわかる話しでしょう?

いまだに「中国製品は粗悪である」と頭から信じ切っている人もいます。

でも、実は現代の家具のそのほとんどが、材料も含め中国製であったり台湾製であったりします。

これは衣料の縫製の技術と同じように、日本やイタリア、フランス、北欧家具の高度な製造技術も、徐々に中国側企業に移植されつつあります。

どうあがいたところで、現状はその通りなんです。


そして現代はその反省もふまえて、伝統の素材と新素材の両方を適材適所に用いたソファが主流です。

だから、私たちはいま、多くの良質なソファ を手軽な値段で手に入れることができるようになったんです。





そこで現代のソファの内部構造はどうなっているのでしょう?

下記、簡単に説明していきます。


・ 参考までに -> http://www.kagufun.com/designers_top.htm



・スチールパイプ(鋼管)

スチールパイプが初めて家庭用家具に使われたのは、1920年につくられたマルセル・ブロイヤーの「ワシリーチェア」だったそうです。

以来、ソファを含め多くの家具の素材になっています。



・平鋼管

丸いスチールパイプを平らにした平鋼管。ミース・ファン・デル・ローエの「バルセロナチェア」にも用いられています。

平鋼管もほかの素材と同様に進化し、強度がさらに増してきました。



・合板

一般的には0.5〜4mmに薄くむいたラワン材を積み重ね、接着剤で張り合わせた板のことです。

19世紀半ばに現代的な合板を開発したのは、曲木で有名なトーネットだったといわれています。



・ダクロン

アメリカ最大の総合科学・繊維メーカー、デュポン社が1952年に開発したポリエステル繊維のことです。

現代では、世界で最も多く製造される合成繊維ですね。衣料品しても使用されます。



・羽毛とウレタンの混合

ウレタンを細かくちぎったものと羽毛を混ぜ合わせた素材。抜群の復元力を実現しながら羽毛の軟らかさを感じさせます。

羽毛だけのものと異なり、洗浄できないのが難点です。



・低比重ウレタンフォーム

表面に数字を刻印されますが、これはウレタンの堅さを表すものです。

数字が大きいほど堅くなります。

数字が比較的小さいこの低比重ウレタンは、ふんわりと軟らかくソファの表面に近い部分に用いられます。



・高比重ウレタンフォーム

表面の数字が比較的大きいこの高比重ウレタンは、低比重ウレタンに比べ重く堅めです。

だから、低比重ウレタンの下部に位置する、ソファのベースに近い部分に用いられることが多いです。



・チップウレタン

ウレタンフォームを製造する段階にできる、ウレタンのクズや切れ端を集めて接着剤で固めたもの。

コストパフォーマンスに優れ、しかも 、丈夫でしっかりしたつくりになっています。



・ポリプロピレンテープ

エラストテープよりもさらにコストを削減できるこのテープ。

そのぶん、強度面に少し頼りなさを感じさせます。だから、あまり荷重のかからない部分の補強に多く使われています。



・エラストテープ

ウエビングテープの一種で、細いゴム紐を糸で紡いで製造されます。

もちろん強度、弾力ともに抜群。現在ではコストを軽減できる、この素材を用いたソファが数多く生産されています。




さて、次回はソファの製造過程をちょっと覗いてみます。

その次元から考えるあなただけのソファとは?

適当な家具屋さんの言葉に、迂闊に騙されたらダメな点が明らかになります。(笑)




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