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■ [ 職人賛歌! 地震が起きたら、すぐタンスの陰に隠れろ!  ] 

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「地震が起きたら、すぐタンスの陰に隠れろ!」

今の時代にこんなことを言ったら、「むしろ逆だろう」と突っ込まれるのが落ちですが、これはすこし過去の話し、私の幼少時代にもよく聞いた言葉です。

悲しむべきことですが、今ではその道の専門家でさえこの言葉を知らない人が多いのが現実でしょうか。


今回は、家具目線のコーディネートの紹介の前に、家具職人のことをちょっぴり考えてみます。


以下、樋口清之氏の著作「梅干と日本刀」の中から一部抜粋しながら、話しをすすめていきたいと思います。

ちなみにこちらの「梅干と日本刀」、近年まれにみる名著です。

かのドラッカー氏も言っていますが、「日本人は日本人の良さ(強さ)を忘れてはならない」というその日本人の知恵と独創の歴史をキラ星のこどく、氏の独自の視点で解説しています。


今回はその数あるキラ星の中のたったひとつ、家具の職人気質について、これだけを語るのは少々無理があるなぁ〜と感じつつも、話しをすすめていきます。

この世界を理解する必要は決してありませんが、私がいつも言う「その雰囲気」を感じて頂ければと思います。


さてさて、家具のお話しです。

家具の中でも重要な位置をしめるタンス。

タンス自体は、家が潰れても壊れないほどの強度を必要とするものではありませんね。

でも、腕の良い職人が作ったタンスは、地震があっても潰れないんです。

知っていましたか? 今では、想像すらできない話しかもしれませんね。

しかも、タンスを使っている間に地震は一回も起こらないかもしれません。


しかし、そのことは職人にとって関係ないんです。

だからといって、このタンスは「私が作った」という印しを残すわけでもありません。

それも関係ないのです。

職人とは、

「とにかく、自分が作ったものには、誰にも真似られなかった精巧な技術が現れている!」、「それが俺のタンスだ!」

そういうことに無上の喜びを感じているのです。

報いなき技術に対する喜びを感じる人間、それが職人というものだったのです。
(あえて過去形)


昔はどの業種にしても、徒弟養成というものは非常に厳格に行われていました。

親方は徒弟の礼儀作法はもちろんのこと、技術に関しては絶対的な水準に達するまで教育します。

独り立ちさせたときに、その技術水準が低ければ「親方」の「恥」になるからです。

「どこそこの家で修行してきた」と言うだけで、「信用」を得て世間で通用するまで教育します。

今で例えるなら、「どこそこの社員であった」ということが、誇るべき経歴を語る意味を持っている場合と同じことでしょう。

しかもそういう中で、職人の技術は、目の前に見える生産品をすぐに加工しなければならないので、誤魔化しがききません。

だから、個々も真剣に勉強し、真剣に従来の技術を改良していく。

そこに職人芸というものが生まれてきました。


「職人は自分の技術に絶対の自信を持っているから、人の話しに耳を貸さず、無口で頑固、分からず屋」が多いとする話しをよく聞きますが、それはまったくのでたらめ、でなければ、本物の職人を知らない人のセリフであることが、ここでも理解できると思います。

ホンマモンの職人は、常に真剣に勉強し、常に従来の技術を改良していく人なんです。

無口であることは、その人の性格にもよるでしょう。ただし、こと技術に関しては、良いことなら真剣に人の話にも耳を傾け、真剣に試行錯誤し、ベスト以上のものを目指す、それがホンマモンです。


タンスを作るにしても、これだけの強度があれば大丈夫だという水準では満足せず、「絶対に壊れないものを作ってみせる!」

あるいは、「絶対に人に負けないようなモノを作ってみせる!」

普通の人からすると無意味にも思えるかもしれませんが、「必要を越えたモノ」をつくるところに職人の意識がありました。

はっきり言うと、その時に必要なモノを作ることなら誰にでもできる話しです。

しかし、永久に使えるモノを作ってみよう!と考えるのが、職人気質(かたぎ)というもので、それを昔の日本では育てていったのです。


だから、職人らしい職人が作ったモノには、消費者からの「絶対」の信頼がありました。

タンスの金具ひとつをとっても、実に精巧な金具を一面に打っているモノがありますが、これも全部、地震でもあって、重いモノが倒れかかったときにしっかり支えるためのモノなんです。

そういった職人の「心意気」の現れが、タンスの金具の起源なんです。

一見、とても美しい飾りだけのようにも思われますが、実は、すべてが力学的に強い力を支えるために打ってあります。

でもね、そのタンスは一生地震になんて合わないかもしれません。だから、実際にその強度が証明されるとは限りません。

しかし職人にとっては、金具をまともに打ってあるタンスを作ったということは、自分が永久に残る家具を作ったという「誇り」の象徴なんです。


このことは、職人のつくったモノすべてに言えることです。

例えば「お菓子」。

お菓子は一瞬にして食べられてしまって、形のなくなるモノですね。

でも菓子職人は、その食べる一瞬の舌触り、触覚、味覚、そして視覚に対して、非常な工夫を凝らします。


ひとつひとつ挙げていくと、それらは回りくどいバカのような話しかもしれませんが、それが「職人気質」という、技術に対する「良心の表現」だ(樋口氏の言葉)、と考えてもいいのではないでしょうか。


技術に対する「良心の表現」。

かぁ〜、言い得て妙! 素晴らしい! 涙が出てきます。

まさに職人は、自分の良心を表現するために真剣に勉強し、真剣に技術の改良を重ね、「必要を越えたモノ」を創り出します。


そういうものが、日本の徒弟制度の中に育っていて、日本の技術水準を世界に誇れるほどに高め、美術品の場合であれば、美的意識、芸術水準を高めていく理由ともなります。


そしてもうひとつ、Y a b u c h から補足すると、

以上の話しからはいかにも自分の技術だけに固執した感じを受けるかもしれません。

でも、それは大きな誤解です。

職人の極める技術は、すべて消費者のためだけにむけられているものです。

そして「素材」に対する敬意と。

使う人のためだけに極めた技術、それを駆使するのが職人です。


「俺の作ったものに文句を言うな。イヤなら帰れ!」

これではただの「わがままおやじ」です。

私ならその場で殴り倒します(笑)


余談ですけど、ホンマモン(職人)との喧嘩は半端じゃ終わらないですよぉ〜。

お互い「命」かけてますから(笑)

まっ、いいですけど、ね。



次回からは「家具」目線のコーディネートを考えていきますけど、その前に、ちょっと真面目な話しをしたかった、Y a b u c h でした。

いつも不真面目というわけではないですよ、こちらも誤解しないで下さいね。




それでは。。。





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