■ [ 京都国立近代美術館の L C 1 ]
………………………………………………………………………………………
「椅子さがし建築めぐり
(単行本) 」竹内 正明氏著
-> http://tinyurl.com/znyhw
・ 京都国立近代美術館
-> http://www.momak.go.jp/
※国立近代美術館( http://www.momak.go.jp/picture/oldbuild.jpg )
の分館です。
・ 独立行政法人 国立美術館 http://search.artmuseums.go.jp/
建築も良いですからね、一度足を運んでみてはどうでしょう。
HPはデータベースとして利用してみても便利です。
観光地というものは、はなはだ美化されて伝わることが宿命のようで、例えばエジプト、ギザのスフィンクス。
ガイドブックやパンフ、絵はがきなどで胸躍らせて現地に着いてみると、絵はがきにはない、ちょっとはずれた個所にはマクドナルド、そしてなんともふさわしくないネオンがキラキラと光り輝いていて、
「ちょっとガッカリ」
なんてこともよくあることです。
京都も決して例外ではなくて、日本から送られてくる風情溢れる京都に期待満々で訪れた外国人観光客も、
絵はがきにはない、歴史的な建築物のすぐとなりにパチンコ店やその他ネオンの光のある現実に、
「超・ガッカリ」したりもします。
しかし、根が社交的な彼らにとっては、パチンコなる日本的搾取文化も始めて目の辺りにすることもあり、そんなのもひっくるめて、「日本に来たのだなぁ〜」と感嘆の声をあげ、
「やはり日本は素晴らしい」と、私にお世辞の1つや2つをかましてくれたりもします。
実際、私は苦笑するしかないのですが(笑)
さて、今回ご紹介の京都国立近代美術館、
平安神宮の大鳥居を挟んで京都市美術館、その向かい側にあります。
現在の建物は、建築家の槇文彦氏による設計で、ちなみに槇氏は、建築界のノーベル賞とも言われるプリッカー賞を受賞していて、海外からも高い評価を受けている人物です。
いつも「賞」なるものに「うさんくさい」目を向ける私であっても、さすがにこの賞だけは、「頭が高いぃぃ」、「ははぁ〜」と頭を垂れるほどのものなんです。
ちなみのちなみに、槇氏以外でプリッカー賞を受賞した日本人は、かの丹下健三氏、安藤忠雄氏の二人だけです。
どれほど「すんごい」賞なのかがおわかり頂けると思います。
さて、そんなプチ建築談義はともかく、京都国立近代美術館には、主に国内外の近代美術が収集・保管されています。(パンフ通りにご説明)
そして、その館内には今回主役の「ル・コルビジェ」の「
L C 1 」と、マリオ・ベリーニの「キャブ」がいっぱい置いてあるわけです。

・ LC1 (スリングチェア) ニューヨーク近代美術館コレクション
-> http://tinyurl.com/f48dv
スリングチェアは、非常に単純化されたエレメントで椅子としての機能を構成したコルビジェの家具デザインを代表する傑作です。
「自由に動く背を持つ椅子」として世界的に有名で、その幾何学的なイメージの持つ斬新さは現代においても、人々の美意識を魅了してやまない完成度を誇っています。
椅子としての快適な機能性は、リクライニングする背部と自由に回転する肘あての皮ベルトにもたせてあり、金属パイプの接合による骨組みには建築的な志向が読み取れます。
W600-D650-H640-SH580-AH580
フレーム=スティールパイプ(クロームメッキ)
背・座=仔牛毛皮(白黒茶混)/厚皮(赤茶/黒)
アームは背・座が毛皮仕様の場合は黒厚皮、背・座が厚皮使用の場合は同色の厚皮。

・ ル・コルビジェ (Le
Corbusier 1887〜1965/France)
幾何学的で合理的な美を理想とする「ピュリピュリズム(純粋主義)」を提唱したり、<CIAM>(現代建築国際会議)を開催するなど、世界のデザイン界をリードし続けた偉大な人物です。
スイス生まれのフランス人で、本名はシャルル・ジャンヌレ(ル・コルビジェはデザイナーネーム)。
ミース、ライトと並び20世紀の三大巨匠と呼ばれる建築家であり、多くのデザイナーに影響を与えました。
また家具デザイン、絵画、彫刻、都市計画などにも才能を発揮します。
建築評論をはじめとする文筆活動も積極的におこない、詩集を出版したこともあります。
主な建築には、近代建築の代表作と名高い「サボワ邸」、「ロンシャン礼拝堂」があり、家具では「LC1」「LC3」「LC4」が有名ですね。
上野にある「国立西洋美術館」も彼のデザインです。
ひと通り名の通った美術館に「よくある風景」ですが、エントランスホールにまるで「はったり」だけのために有名どころのソファや椅子、テーブルを所狭しと置いてあることがありますが、
「ただの税金の無駄遣いじゃん」と、私は悪態をつくことも多々あり。
「あれ? 美術館て税金で運営されているの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、今の日本、無駄に税金の投入されていない公的建築物はどこもない、と断言しちゃったりします。
いや、この件に関するその筋のクレームはゴメンこうむります(笑)
上っ面だけの、表向きの話しをしているわけではありませんので。
しかし、その無駄遣いの税金も、こうやってその存在を知り、足繁く通う私のような輩には、大変ありがたい存在であったりもします。
やっぱり、元は取らないと! ね。
普通、この美術館の1階部分は入場無料になっています。
つまり、誰でも自由に出入りできるようになっていて、企画展、展示上の都合にもよりますが、私も毎回「
L C 1 」や「キャブ」に無料で腰掛けています。
美術館の「エントランス」などに置かれている椅子がことさら「楽しめる」のは、
単に「美術的な観賞物」にはなっていなくて、空間との調和を椅子にかけることによって体感できるからだろうと私なども思います。
前回の M I M O C A のワシリーの場合、フロントで入場料を払わなくてはならないことを考えると、こちらの
L C 1 やキャブは、その分心休まる体感となるでしょう(笑)
竹内氏も著作の中で言っているように、調和する空間と共に「無料」で腰掛けることのできる椅子の座り心地を体感できるということは、
「椅子の観賞方法としては理想的」なことだと思います。
ここの1階の展示室、椅子に腰掛けて疎水が流れるのを見ることができるんですよ。
最高に、いいっスよ(笑)
お洒落な家具ショップや雑貨に出かけ、いくらタダだといって椅子に無造作に座っていると、すぐにショップのアドバイザーなる「余分な輩」に脇から話しかけられれば、
その座り心地も「冷めて」しまいますね。
座面の高さ、尻がくる位置、背の当たる角度、両手の持って行き場、座った時の目線の高さ、固さ、しなり、雰囲気、
いくら「うんちく」を唱えたところで、やっぱり自分が体感した「座り心地」がすべてだったりしますからね。
人との出会いと同じで、最初のその出会いが気分の悪い思いをしたモノと、スカッと自分の心に残る良い出会いをしたモノとでは、後々に感じる心証まで左右してしまいます。
「火事の時、まずなにを持って逃げる?」
との問に、
間髪入れず「 L C 1 」だと答える私は、やっぱり「こいつ」とは良い出会い方でしたから(笑)
「見つけて、座って、愉しんで」
椅子は手に入れることだけではなくて、そんな「楽しみ方」もあるのだと、美術館に置かれている椅子たちは、教えてくれています。
京都にお住まいの方、
腐った行政に腹を立て、どうしようもなくなった時には、ここに来て椅子に腰掛けて下さい。
ちったぁ 気も治まるかも(笑)
んなわきゃないか!