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■ [ 芦屋市立美術博物館の L C 3 と L C 7  ] 
………………………………………………………………………………………



芦屋市立美術博物館
-> http://www.ashiya-web.or.jp/museum/



「この部屋に、なにを買おう? なにを置こう?」

コーディネートとは、決して家具を買いそろえることだけではないけれど、

でも、

結局は、「そこ」に「集約される」なたいな。


日本のお家は総じて「手狭」であるものだから、なかなか気に入った家具一式すべてをそろえるというわけには、まいりません。

だからこそ、家具選びに並々ならない執念を燃やす人も少なからずいます。

ちなみに、私がそうだったりもします。



今回は、あまりそんなことに「縛られない」所からのご紹介です。

つまり、一般的なイメージで言うところの「お金持ち」の地区のことです。


「芦屋」 − 兵庫県。


ほら、すぐにイメージが湧くでしょう。

芦屋、 あ し や ァ 。



私のような「がさつ」な人間には、この辺りをぶらつくだけでも「勇気」をふり絞ることが必要になりますが、がさつな人間の唯一無二の武器、

つまりは「無神経」なるものが、案外こんなところには有効に働きもします。


だってね、建てられている建築物からその設計者、歴史に至るまで斟酌していては、とてもこの地区の「良さ」を、住んでいる人以外はわかるものではありません。

「ずかずか」と、人の家であろうが庭であろうが、どこにでも顔を出せるほど傲岸無知「風」でなくては、ビビって足も動きません。


会社社長、医者、弁護士、このような裕福な階層が住まうそんな街です。



日本の歴史の中でも早くから西洋の文化が華開いたこの街は、立派すぎるほどの洋館が建ち並びます。

ひとつ例を取るなら、近代建築の巨匠、「フランク・ロイド・ライト」設計の「ヨドコウ迎賓館」。
-> http://www.yodoko.co.jp/geihinkan/index.html


打出の浜と呼ばれて以降、埋め立て地として造成されたこの地域の面影として、防波堤跡と松並木をぶらりと歩けば、芦屋川沿いの小高い丘の上にこの洋館を見ることができます。


谷崎潤一郎の「細雪」の舞台となったところとしても有名ですね、この地区は。


芦屋川下流の文化ゾーンには、「芦屋市立図書館」、「谷崎潤一郎記念館」、そして今回のお目当ての「芦屋市立美術博物館」などがあります。



ちなみに、ですが、

この芦屋市立美術博物館を設計したのは、「板倉建築研究所大阪事務所」です。

ご存じの方もそりゃもう多いと思いますが、創始者の「板倉準三」氏は、日本の近代建築の第一人者と言われるほどの人で、かの、ル・コルビジェのお弟子さんのひとりでもあります。


代表作に、「パリ万国博覧会日本館」、「神奈川県立近代美術館」などがありますが、「パリ〜」の方は、オーギュスト・ペレの推薦によって、博覧会で行われたコンクールでグランプリを取っていることは、ご承知のこと。

どうだ、参ったか!




前回が「 L C 1 」でしたから、そのつづきのつもりで芦屋市立美術博物館の「 L C 3 」と「 L C 7 」を紹介しようとしていますが、

どうにもこの地区の「建築談義」だけで「今年」が終わってしまいそうな。


「 L C 3 」



「 L C 7 」





さて、今回主役の「 L C 3 」と「 L C 7 」ですが、美術館の2階ホワイエにあります。

ル・コルビジェ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンとでデザインされました。

「 L C 1 」とほぼ同時期にデザインされていて、共通点はどの椅子もスチールパイプのフレームを持ちます。


今では猿まねされた椅子のデザインも多く見ますが、やっぱり「原点」は良い!


「 L C 3 」は座面と背、側面を囲むように革のクッションがスチールパイプのフレームにはめ込まれていて、身体全体がクッションに包み込まれるような感じです。

個人的に言わせてもらえば、「座り心地は最高!」です。


ちなみに同型の「 L C 2 」よりは若干低めで、ちょっぴり「ゆったり」と座れるようになっています。

ここは「好み」の問題ですね。

お好きな方を「どうぞ」。


「 L C 7 」はうって代わってオフィス用に創られたもので、座の丸いひとり掛けの椅子。

これ、回転します。


尻のでかい私にとっては、見た目ちょっと小さめな感じもしますが、なかなかに背の部分とアーム部分の革のクッションの具合は「良い!良い!」


ここにはそれら以外にも、「 L C 1 」はもちろんマリオ・ポッタの「セコンダ」やミースの「バルセロナ」なとがあります。




今回、結局のところ「なにが言いたいのか」と言うとですね、

芦屋市立美術博物館、2階のホワイエから展望できる芦屋の高層住宅たちが、なんとも「なんだかなぁ〜」ってことなんです。

いやいや、とても良い意味で(笑)


ここ、休憩する場所としては、「最高!」の空間になっているんですねぇ。




以前、「部屋から眺める風景」としてコラムを書きましたが、まさにここが、

「そんな感じ」です。



ここから見える住宅は、どこもスペースにゆとりがあり、置く家具の大きさや高さや奥行き、種類など、なにも気にせずにコーディネートできそうな家ばかりです。


それらに羨望や嫉妬をするほど今の私は「青く」はありませんが、

ふと街を歩くと、そんな情念さへ「いち風景」に変えてしまえるほどの空間と、ひとつの椅子があるって、なんだか「得した気分」になります(笑)



家具ってね、草、木、花と同じで「そこにあるから」素晴らしいということがあります。


自然の地に咲いている花が美しいからと、切って家に持って帰ってみても、その時に感じた美しさをそのまま感じることができるかと言えば、決してそうではありませんね。


実はコーディネートの極意!?は、そんなところに潜んでいると私は思っています。

「無理をしない空間づくり」。


深い経験を積まないと決して得られない「極意」なのかもしれなせんが、

そんな経験を自分の足で歩いて、

見つけて、

体感して、

自分のコーディネートに活かして欲しいなぁ〜と思います。


だから、見つけて、座って、愉しむんです(笑)






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