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■ k a g u f u n 雑感 [ 無垢の家具について ]
… 中略
ひと頃(今でもそうかも知れませんが)、マッキントッシュのユーザは「エバンジェリスト(=伝道者)」と呼ばれていました。単にマックを使うだけでなく、その製品としての優秀性を自身から周囲に説かずにはいられなかったからです。
単なるユーザではなく、愛用者の域すらも超えてしまい、宗教的熱心さを持って「広報活動」をしてくれる存在。それがエバンジェリストです。ファンも、その域に達するとスゴいことになります。
本来家具屋とは、そのようなコアなファンを多く作ることを目指すべきではないでしょうか?
■ [ とある家具メーカー、営業マンsanからのメール ]
どうも始めまして。いつも家具FUNマガジンを拝見させてもらってます。○川にある家具メーカーの営業担当のSです。
… 中略。
一般のお客さんは無垢の家具に対してどういう商品知識を持っているのでしょうか。
ここ何回かあったのですが、無垢5枚矧ぎのテーブルを販売(小売店を通して)したのですが、節がある、展示品と色が違う、矧いだ板の色が違うというクレームが付いて困っています。
ガラスや鉄、プラスチックなどの工業製品であれば1個でも10個でも100個でも全く同じ物を作ることが可能でしょう。しかし、木、特に無垢材であれば生き物ですので一つとして同じ物がないわけでして、節があるのが当たり前(もちろん節がでないように努力はしています)、展示品と色が違ってくるのも当たり前ですし、同じ1本の木でも根本部分と樹冠の方で色が変わってきますから5枚矧ぎのテーブルなら矧いだ1枚1枚は色合いが微妙に変わってきます。これら節や色合いの違いが無垢のテーブルの味であるはずですが、
「変な柄(節のこと)があるのは嫌」
「矧いだ板の色を合わせてくれ」
というクレームになってしまっててんてこまいです。
節もなく色も合わせるとなるとそれこそ突き板かプリント紙を貼らなくてはなりません。
でも、それでは無垢である必要がありません。お客様の中には木も工業製品同様に全て同じにできると思っている方がいるみたいです。
(そのたびに心の中で「木は植物だ〜」と叫んでます)
で、どうもこのクレームは販売店の担当の方の発言にも責任の一端があるようなのです。正しい商品、木材の知識のない人がイメージだけで、「無垢の家具は高級家具ですばらしいできだから・・・」みたいなことをいってお客様のイメージを膨らませすぎているみたいなんです。
(商品の欠点というか短所というかそういう部分を全く説明していないみたいです)
その結果クレームになって、お客様も販売店もメーカーも損をするみたいな形になってます。
このようにメーカーではどうしようもできないことでクレームが発生して困っています。
世の中的にはどうなんでしょうね?(まあ、メーカーが悪いことも多々ありますが・・・)
… 略。
▼下記、k a g u f u n より
さてさて、まずは無垢についての基礎知識、その善し悪しを簡単に言うと、
[ 注意点 ]
・ 年月とともに反り割れ、変色がおきます。
・ 材料によって、見た目が違います。
[ 良い点 ]
・ 年月がたつにつれ、色焼けや、使い方次第でその表情が変わります。
「つまりは世界に一つだけ自分のもになる。」ということですね。そしてもし熱い鍋を乗せたり、タバコを落として焦げたとしても、また、スプーンでテーブルを叩いて傷がついても容易にメンテナンスが可能なことも利点ですね。
「少々の傷は湿ったタオルの上から、熱したアイロンを何度かあてると、ある程度元道りになしますし、どうしても傷んだ表面が治らない時は鉋を掛ければ元の木の表情が現れ、新品同然になります。」
・ そして、割れが生じても修繕が可能です。
・ とにかく愛着が湧くほど何年も使えるということですかね。
どうです? いいでしょう(笑)
しかし、多くの方が無垢材の特性を知る機会がないので、販売員の説明が十分でなければ今回のSさんの例のようなクレームになるのだと思います。
無理もないですよね。一般の方が無垢に触れる機会はそうそうありませんし、ショップの人が「良いモノ」と言えば、ほとんどの人がその言葉を受け入れるでしょう。
それと、節を好まない人が多いように、日本人は板目より、柾目を好む方が多いようです。整ってシンプルな模様だからでしょうか。
というように、人によって好みは様々ですよね。
そして、ここからが本題です。
正直、Ssanが感じられていることはもっもとなことですが、これは無垢材に限らず、木製品の宿命だと思います。「自分のイメージと違う」的なクレームは、正直、どこにでもあります。
それではどうすればいいのでしょうか?
以前、私がコンサルした家具屋の例をとって紹介します。
家具屋サイドから言わせると、メーカーが当たり前としている知識でさえ、ショップの店員は知らないケースが多々あります。もしかすると無垢材自体も知らない場合もあるかもしれません。
「まさか」とお感じでしょうが、昨今のサービスレベルはそこまで低下していると考えることが普通です。自分が扱っている商品の材質を知らないなどは、たぶん店員からすると、逆に当たり前に感じています。理由としては、「そんなこと勉強している時間がない。」「売れればいい。」的感覚でしょう。
店自体も近年の経済状況からして、売ること第一主義ですから、勉強する時間をとるより、「店に出て接客をしろ。」というところでしょう。
Ssan の卸している小売店のすべてがそうとは言いませんが、それに近いところがあるのではないでしょうか?
しかし、この考え方が逆に売り上げを下げている原因だということに、店側も経営者も気づいてはいません。
分かってはいても実行できずにいるなどは、言い訳にすらなりませんから、まずメーカーサイドから、自社製品の勉強会を行うべきです。これは一度や二度では頭に入りませんから、最低でも月に1回は必ず行うことを提案します。
一流と呼ばれ、売り上げも一流な家具屋は、毎朝商品に対しての、そしてお客様に対してのロープレを店員皆が必ず行います。通常は、そのような場で何か疑問や質問があれば、話し合い良い方向に持っていくという作業が行われます。ですからお客様に説明責任を果たせ、安心感を持ってお客様に接することができます。
ロープレではケース・バイ・ケースが検討されますから、お客様からこう言われた場合は? この商品の善し悪しは? など、皆の接客レベルが平準化されるわけです。
おおよそ、「以前はやっていたけども、今はそんなことまでしなくても。」と言われるかもしれません。しかし、知識の大切さ、説明責任の大切さをメーカー側が再度、ショップ側に思い出させてあげることがクレームゼロへの近道だと思います。
しかし、あまりお客様に説明すぎると売り上げが伸びなくなりますよね。ここがジレンマですね。しかし、このジレンマを解消することも、ロープレの役割となります。
お客様サイドからすると、家具の知識はゼロに近いものがあります。ましてや無垢などと言われても、高級だというイメージしか持ってはいないでしょう。まず、それが当たり前だと思って下さい。
基本的に無垢材等を使用した製品は、現品を出すことがこういったケースのクレームをなくす方法ではありますが、ショップ側も多くの在庫を抱えるわけにもいかず、どうしても受注生産の形が無難となってしまいます。そうならざるを得ないのが実情でしょう。
それならば、やはり売り手が無垢の良さ(節や色目の違いなども含め)、世界に一枚しかない価値を説明することが重要でしょう。
簡単に言うと、売る側がお客様へのリサーチを正しく行っていないからこのようなクレームの嵐となってしまいます。
接客のセオリーをもう一度思い出させてあげることも、メーカー側の営業の大切な一部ではないでしょうか?
ほんの一部ですが、提案してみてはいかがでしょう?
※もっとも、ショップ側と「なあなあ」の関係だと、前向きな提案はしづらいですね。(笑)
後、参考までに別のコンサルの一例も。
これは小さな家具工房(同じく無垢材を使ったダイニングセット中心の品揃え)のケースですが、逆の発想で一切接客をしない手段もあります。
一切とは語弊がありますが、ショップには自社製品を見やすいように細心の注意でディスプレイし、手書きで商品の説明を詳しく書いたPOPと小冊子を置いておき、お客様が来店されたら、「いらっしゃいませ。奥に居ますから、もし分からないことがあったら呼んで下さい。では、ごゆっくり。」と一言声をかけるだけの方法です。
もちろんお客様から呼ばれたら、ここぞとばかりに「熱く」語ることも重要です。
… 中略。
家具業界は、普通の当たり前が今までなかった世界ですから、Ssan
が普通の世界を教えてあげればいいわけです。
今の時代、特に家具屋は、危ないと思ったら一気に来ますよ。
ご用心・ご用心。
▲ と、以上のようなことを生意気にも返答させて頂きました。
私がこの「家具FUN」でいうところの、ショップ側の「説明責任の希薄さ」が招く被害は、お客様のみならず家具メーカーにも及んでいると言った実例です。
この問題は、家具の産地の後継者問題とも相関わって、とても深刻で重大な事柄でもあります。
しかし、売る側の言い分ばかりを聞いていてもしかたがありません。それでは、買う側としての「無垢材を使用した家具」の利口な購入方法をお教えします。
・ 展示してある、または見せてもらった現品を購入すること。
この一点につきます。
それに応じてくれないショップ、または店員からは一切買わないことです。はっきり言いますが、「節が嫌い」、「色目が合ってないとダメ」っていう買う側の要求はしごく当たり前の要求で、言って当然のものです。
前述出の小さな家具工房さんの無垢材のダイニングセットは、買われる方の観点に立った販売方法です。だから支持を受け、また末永く作品を使ってもらえています。(そこに行き着くまで、相当苦労はされていましけど。)
ひと頃(今でもそうかも知れませんが)、マッキントッシュのユーザは「エバンジェリスト(=伝道者)」と呼ばれていました。単にマックを使うだけでなく、その製品としての優秀性を自身から周囲に説かずにはいられなかったからです。
単なるユーザではなく、愛用者の域すらも超えてしまい、宗教的熱心さを持って「広報活動」をしてくれる存在。それがエバンジェリストです。ファンも、その域に達するとスゴいことになります。
本来家具屋とは、そのようなコアなファンを多く作ることを目指すべきではないでしょうか?
Ssanのメーカーの作品も、そのようなファンを作れることを望んでいます。
(あっ、日々努力しているんですよね。すいません - 笑)
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